私的宝盤❹ Arctic Monkeys / Suck It And See(2011)

 バンドに憧れがあります。やりたい気持ちは未だにあるけれど、やれない。主な理由は4つある。

①音楽の嗜好が合う人がいない。

②協調性が足りない。

③そもそもやる気が足りない。

④そんな時間はない。

 人は、やりたくない時には理由を見つけ、逆に本当にやりたいことは、どんなことがあってもやるそうです。

 これが、『こじらせ』ってやつか。

 

   イングランド、シェフィールド出身のロックバンド、アクモン(アークティックモンキーズ)の4thアルバムです。ジャケットは潔い白。ビートルズみたいだな。

 

Suck It And See

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1."She's Thunderstorms"
2."Black Treacle"
3."Brick by Brick" (Turner, Matt Helders)
4."The Hellcat Spangled Shalalala"
5."Don't Sit Down 'Cause I've Moved Your Chair"
6."Library Pictures"
7."All My Own Stunts"
8."Reckless Serenade"
9."Piledriver Waltz"
10."Love Is a Laserquest"
11."Suck It and See"
12."That's Where You're Wrong"

 

 アレックスが書く歌詞にしろ、曲につける題名も、いちいちロマンチックでかっこいい。このタイトルトラックを目にするだけで、文学への造詣の深さが伺える。

 ビートルズの方はバラエティ豊かだったが、アクモンのは真逆。よく言えば、まとまりがあってミニマム。悪く言えば、こじんまりまとまっている。でもそのまとまり、ミニマムさが、最高にかっこいい。ミニマムってのは、無駄を省いて残ったもの。彼らのバックグラウンドは広い。その莫大な知識や趣向をおっ広げにせず、ここまでまとめたのだから、当然その音は分厚くて深い。正に、ミニマム ザ モンキーズ

 

 アクモンのリリースする作品を聴く度に、『現状打破』という信条を感じてならない。いい意味で、一貫性がない。というか、一貫性がないことが一貫性なんだろう。「おんなじことしても、つまんないじゃん?」って、そう言ってるように聞こえる。どんなに売れようが固執せず、リスナーに媚びず、さも当然のように、ガラリと変えてくる。そこもまたかっこいいし、支持される所以なんだろう。

 

 でもね、6thのTranquility Base Hotel & Casinoはちょっといただけない。ごめんなさい。

 

 

 

☆おすすめ☆

4."The Hellcat Spangled Shalalala"…キラキラしたアクモンもいい。