私的宝盤❻ The Strokes / Room on Fire(2003)

 2年目のジンクスって言葉があります。1年目で飛躍して、2年目で伸び悩むってやつです。

 真剣に物事に向き合っていれば、どんな天才でもどんな努力家でも、スランプに陥る時はある。その後で、その人の真価が問われる。スランプ時に、へこたれずにあがき続け、もがき続けられる資質が「たくましさ」であり、「強さ」ではないかと僕は思います。なかなか前に進めないときに、どういう考え方ができるのか…?もがき、あがく中で、人は成長する。人の真価とは、その成長だと思っています。

 

 アメリカ合衆国ニューヨーク出身のロックバンド、The Strokesです。ガレージロック・リバイバルの代表的なグループとして、世界的に知られています。日本でも知名度はかなり高いですよね。

 

Room on Fire

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1."What Ever Happened?"
2."Reptilia"
3."Automatic Stop" (Casablancas, Albert Hammond Jr.[26])
4."12:51"
5."You Talk Way Too Much"
6."Between Love & Hate"
7."Meet Me in the Bathroom"
8."Under Control"
9."The Way It Is"
10."The End Has No End"
11."I Can't Win"

 

 他にも好きなアーティスト、好きなアルバムはあるけれど、個人的にここまでエンドレスリピートしたアルバムはありません。中毒性が極めて強いアルバム。

 ファーストで大ブレイクして、大いに期待される中でリリースした今作。このアルバムを聴く限り、2年目ならぬ、2作目のジンクスなるものは感じられない。ライブの様子からも、(良い意味で)一生懸命さを感じない。ボーカルのジュリアンは緩くて気怠げだし、他のメンバーの演奏も立ち振る舞いもスマート。飄々として、余裕を感じる。

 けれど、ファーストがあれだけ称賛され、バンドがもてはやされた中、プレッシャーは半端なかったと思う。何も感じなかったはずがない。重圧を感じながらも冷静さを保ち、自分たちのスタイルを貫いてよりよいものを作ろうとしたからこそ、このRoom on Fireという素晴らしい作品ができたのだと思う。

 

 何か勝手に解釈しちゃってるけど、確かなのは、ヘヴィロテ必須のアルバムってことです。くどくないのに、めっちゃポップ。このバランス感覚が、The Strokesの真骨頂。

 

 

 

☆おすすめ☆

10."The End Has No End"…軽やかなドラムで始まり、それに野暮ったいボーカルが乗っかると、最高に絶妙。

 

 

私的宝盤❺ B'z / THE CIRCLE(2005)

 1番を決めるのって、難しい。真剣に考えれば考えるほど、段々と分からなくなる。

 例えば、Jeff BuckleyだったらGraceだし、My Chemical RomanceならThe Black Parade…。そういう人たちは簡単。でも、そういう決定的で、圧倒的1枚が存在しないアーティストやバンドって、世の中に一定数いる。B'zは正にそう。人によって最高傑作と言われる作品はまちまちで、好き嫌いの偏りが少ない。つまり、ハイクオリティで安定していると言っていい。雑音には目もくれず、淡々と、やるべきことに没頭し続けているからこその、この安定だと思う。だから、B'zの作品の中から1番を決めるのって難しい。と言うより、B'zに対して失礼だ。

 

 

THE CIRCLE

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1.THE CIRCLE
2.X
3.パルス
4.愛のバクダン
5.Fly The Flag
6.アクアブルー
7.睡蓮
8.Sanctuary
9.Fever
10.白い火花
11.イカロス
12.BLACK AND WHITE
13.Brighter Day

 

 ということで、B'zの最高傑作なんて、とても決められそうにない。でも、1番好きなのを選ぶならこの『THE CIRCLE』。

 高校生の時に初めて聴いたのだけれど、まず『X』にどハマりしたことを覚えている。買ってもらったばかりのMP3で、毎日大音量で聴いていた。

『独りぼっちに慌てるな』

『来世はない 今だけがどこまでも続く』

『目の前の景色が気に入らなくてもじっとにらみつけなさい』

『己が今を変えろ』

 歌詞がスーパーポジティブで、スーパーストイック。そして、ゴリゴリ、ゴツゴツのハードロック。その一方で緩急もあり、非常に聴き応えがあるオープニングナンバー。

 そのままの勢いで、次曲の『パルス』へ。この曲は、めっちゃ速い。そして、速いのに重い。リズム隊のシェーン&バリーがいい味出しとる。歌詞はシリアスなようでふざけてる。「ここ、どっこいでどう?笑」「笑。いいじゃん、それでいこうよ。」って、稲葉さんとTAKが談笑している光景が思い浮かぶ。

 10年前は『X』だったけれど、三十路を超えて今1番心に響くのは、⑤の『Fly The Flag』。この曲はとにかく、めっちゃダサい。ダサいを軽く飛び越えて、もはやかっこいいの域にある。ここまで突き抜けてダサくなれるとこが、もう逆にね…。

『一生懸命生きている 名もない旗を掲げろ』

 己のダサさを認めて、一生懸命もがく様こそが最高にクール。お前のペースで、お前らしくいけよって、優しく強く背中を押してくれる。

 ラストを飾る『Brighter Day』もまた、高校時代のお気に入りだった曲。今も好き。大サビ前のTAKのギターソロが抜群にかっこいい。歌詞は遊びなし、どストレート。「破滅を繰り返しながらも再生していく」というアルバムのコンセプトを、作中で最もダイレクトに表現していると思う。

 

 楽曲ごとのカラーや遊びがありながらも、アルバム全体の印象はシンプルで硬派。創意工夫に溢れ、バラエティに富んだやつよりも、芯の強いやつに、僕はグググッと吸い寄せられるようです。軟派はクソ。でも、硬派に惹かれる(憧れる)僕は、誰よりも軟派なクソ人間なのかもしれない。

 

 

☆おすすめ☆

全部…捨て曲なし。

私的宝盤❹ Arctic Monkeys / Suck It And See(2011)

 バンドに憧れがあります。やりたい気持ちは未だにあるけれど、やれない。主な理由は4つある。

①音楽の嗜好が合う人がいない。

②協調性が足りない。

③そもそもやる気が足りない。

④そんな時間はない。

 人は、やりたくない時には理由を見つけ、逆に本当にやりたいことは、どんなことがあってもやるそうです。

 これが、『こじらせ』ってやつか。

 

   イングランド、シェフィールド出身のロックバンド、アクモン(アークティックモンキーズ)の4thアルバムです。ジャケットは潔い白。ビートルズみたいだな。

 

Suck It And See

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1."She's Thunderstorms"
2."Black Treacle"
3."Brick by Brick" (Turner, Matt Helders)
4."The Hellcat Spangled Shalalala"
5."Don't Sit Down 'Cause I've Moved Your Chair"
6."Library Pictures"
7."All My Own Stunts"
8."Reckless Serenade"
9."Piledriver Waltz"
10."Love Is a Laserquest"
11."Suck It and See"
12."That's Where You're Wrong"

 

 アレックスが書く歌詞にしろ、曲につける題名も、いちいちロマンチックでかっこいい。このタイトルトラックを目にするだけで、文学への造詣の深さが伺える。

 ビートルズの方はバラエティ豊かだったが、アクモンのは真逆。よく言えば、まとまりがあってミニマム。悪く言えば、こじんまりまとまっている。でもそのまとまり、ミニマムさが、最高にかっこいい。ミニマムってのは、無駄を省いて残ったもの。彼らのバックグラウンドは広い。その莫大な知識や趣向をおっ広げにせず、ここまでまとめたのだから、当然その音は分厚くて深い。正に、ミニマム ザ モンキーズ

 

 アクモンのリリースする作品を聴く度に、『現状打破』という信条を感じてならない。いい意味で、一貫性がない。というか、一貫性がないことが一貫性なんだろう。「おんなじことしても、つまんないじゃん?」って、そう言ってるように聞こえる。どんなに売れようが固執せず、リスナーに媚びず、さも当然のように、ガラリと変えてくる。そこもまたかっこいいし、支持される所以なんだろう。

 

 でもね、6thのTranquility Base Hotel & Casinoはちょっといただけない。ごめんなさい。

 

 

 

☆おすすめ☆

4."The Hellcat Spangled Shalalala"…キラキラしたアクモンもいい。

 

私的宝盤❸ 稲葉浩志 / マグマ(1997)

 今日は邦楽。と言っても、いまから23年前…。いろいろすごい。

 

 言わずと知れた、B'zのシンガー。最近はMステにもめっきり出てくれませんね…。寂しいです。

 そんなことで、ファン以外には謎のベールに包まれている稲葉浩志という人。でも、このアルバムを聴くと、何か分かるんじゃないでしょうか?稲葉さんが鎧を脱ぎ捨てて、ムキ出しのムキ身になったような、そんな作品です。マグマのように、ドロッドロですよ。やばいこの人…。

 

マグマ

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1.冷血
2.くちびる
3.そのSwitchを押せ
4.波
5.眠れないのは誰のせい
6.Soul Station

7.arizona
8.風船
9.台風でもくりゃいい
10.灼熱の人
11.なにもないまち
12.Chopsticks
13.JEALOUS DOG
14.愛なき道
15.Little Flower
 

 

 

   タイトル並べるだけで、ただならぬ雰囲気を感じる…。

 

 このアルバムは、『冷血』って曲から始まります。

「付き合いの悪さにゃ太鼓判押せる」

「1番大事なところは上手に逃げる」

「ほいほい捨てながらここまで歩いてきた」

「つじつまの合わない人これからもずっと」

 間違いなくこれ、自分のことを言ってる。こんなどろっとした、パーソナルな歌詞が続きます。

 『くちびる』が2曲目。これが2曲目ですか…?B'zならノリノリでハードな曲をぶっ込んでくるのに。でも歌詞は割と近いものがある。これは女性に振り回されて、そんな尻に敷かれまくってる状態にすら快感を感じてしまうという、M男ナルシストの歌。

 散々身悶えた次は、『そのSwitchを押せ』って言ってます。きっと目の前にそのSwitchはあって、手を伸ばせば押せるんです。でも「流れ落ちゆく涙に誰か気づいて」ほしい。かまってちゃんなんです。おまけに逃げ癖もあるし、甘え癖だってある。そんな情けない自分に悩みながらも、最後には全部受け容れるしかない。受け容れることで、少し前を向いて、「押せよ。やれよ。」って、最後に自分を鼓舞している。B'zのねがいと価値観が似ている気がする。稲葉さんの声ですっと始まるイントロがかっこいい。

 『波』は、間違いなくハイライト。でも、最高にダーク。ダークな作品だから、そりゃあハイライトもダークネスになる。寄せては返す波に、自身の揺れ動く不安な心情をなぞらえている。

『朱い朱い海にくらげのようにとろけていく太陽』

『まだ幼い闇のむこうに 星たちが浮かびあがり
君は群青に吸い込まれるように 消えてゆくの』

『なにもかも愛してみたい大きくこの腕を広げて』

 美し過ぎる。一筋の希望と、大きく複雑に膨らんでいく心情が、情景描写と見事に絡み合っている。この『波』は、稲葉さんのソロの中でも最高傑作じゃないか?

『そして無限の海を潜ってゆきたい』

 という詞でくくられる。この先も、出口がないのに、自らそこに潜っていく。死を連想させるフレーズでもあるが、自分という逃れられない波に漂い続けるしか生きる道はないという、覚悟のように受け取れる。大丈夫、希望に満ちている。

 『眠れないのは誰のせい』って、結局追い込んでんのは自分なんだけど、そんなん分かってるんだけど、でも全部受け容れられるなら苦労しない。だから自分以外の何かに原因を求めて、妖精がぐるぐるかけめぐり眠れない。

『自分の中であつい戦いが始まってること』

 分かってんじゃん。でも分かってるとできるは別もの。出口のない内省を永遠繰り返してる、『マグマ』を象徴するワンフレーズだと思う。ジャズっぽさが、熱苦しさをいい塩梅に中和している。

 『Soul Station』って、どこよ…。歌詞からすると、それは君の中にあったんだけれど、もう君はいない。僕が君を台無しにしてしまった。君に甘えたままで。だから、罪悪感を抱きながらも、新たな場所を求めて歩き出そうとする。だが、なかなか出発できるほど、僕という人は単純明快ではない。

『まっ赤に溶けて注がれる場所求め出発したいと願ってる』

 『arizona』は、稲葉さん本人が、アリゾナを1人旅をした体験を基にしているらしい。歌詞の内容から、前曲と繋がっていると思う。でも、全く前には進めていない。稲葉さんの死生観が色濃く出ている。『波』に続く、今作のハイライト。

 『風船』は、とにかく優しい。低音で優しく歌い上げる。稲葉さんのこうゆう歌い方は、非常にレア。

 『台風でもくりゃいい』って、どんだけやけくそや。でも、激しく共感できる。ってかさ、これって実話ですよね?いいんですか、稲葉さん…。自己の内面だけじゃなくて、私生活まで曝け出しちゃってる。暴露本ならぬ、暴露ソング。

 

 

 

 

 疲れた。全曲レヴューはきつい。

 

 確か星野源は、B'zのZEROを聴いて、「稲葉さんみたいなかっこいい人でも、そんな風に思うんだ」みたいなことを言ってた。B'zの魅力は、稲葉さんだと思っている。稲葉さんの歌詞に滲み出る人間性。もちろんTAKの作るメロディ、ギタープレイも素晴らしいけれど、あれに稲葉さんの人間くさい、メンヘラ、変態的、ドロドロした歌詞がのるのがいいんだと思う。

 

 僕は悩んだり、迷ったりするとき、この『マグマ』というアルバムを聞きます。これでいいんだって安心できるから。それがいいことなのか、悪いことなのかは分からないけれど。

 説教って言葉があります。職業柄、何かを教えるってことは、自分のテーマでもある。ただ、説き教えたところで、人は前を向けるのだろうか?

 人は成長するほど、内面が複雑になっていく。それは、よりよく生きようとすればするほど、現実とのギャップに戸惑い、至らない自分を受け容れられないからだ。そうやって、内面はいつの間にか膨らんでいく。けれど、膨らめばしぼむのが摂理。(しぼむと言ったら語弊がありそうだが、まとまって、整理されていく、というイメージ。)膨らんだものがしぼみ、何しら自分なりの生き方を見いだし、前へと進んでいくものだと思う。なのに、いくらよかれと思っても、なりふり構わず説き教えるだけでは、いつまで経っても内面は膨らんでいくばかり。

 人の生き方の邪魔をしちゃいけない。じゃあ、思い悩む人の傍で何ができるのか…?月並みだが、いつも一緒にいて、受け止めることではないか?「分かるよ」「苦しかったな」「そうかそうか」と、その共感的理解があるだけで、そういう人が1人いてくれるだけで、「こういう気持ちもあっていいのか」「これでいいんだ」って、自分を受け容れることができる。自分を受け容れられれば、後は前を向くだけだろう。

 『マグマ』は、そんなふうに、自分の内面を丸ごと受け止めてくれるようなアルバムだ。稲ソロの他作品、B'zの作品ももちろんそうだし、だから稲葉さんも、B'zも大好きなんだけれど、でもこの『マグマ』は格別。だって稲葉さんがこんなにも自分を曝け出して、「それでいいんだよ」って、僕の背中を優しく押してくれる作品だから。

 

 

 

☆おすすめ☆

⑨台風でもくりゃいい…ってサビで叫んでるのが爽快。もはやタイトルが神。

 

 

 

 

私的宝盤❷ Feist / Metals(2011)

 ワン、トゥ、スリッ、フォ、たんたらーら、らん、らん…。

 そう、あのipodのCMの曲です。1.2.3.4で日本でも広く知られることになったカナダのシンガーソングライター、Feist(ファイスト)の4thアルバム。

 

Metals

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1."The Bad in Each Other"
2."Graveyard" (Feist, Mocky, Chilly Gonzales)
3."Caught a Long Wind" (Feist, Mocky, Chilly Gonzales)
4."How Come You Never Go There"
5."A Commotion"
6."The Circle Married the Line" (Feist, Brian LeBarton)
7."Bittersweet Melodies" (Feist, Mocky)
8."Anti-Pioneer"
9."Undiscovered First"
10."Cicadas and Gulls"
11."Comfort Me"
12."Get It Wrong Get It Right"

 

 いろんな人と作ってますね。て言っても、モッキーとチリーが主か。

 前作も前々作も知ってるだけに、アルバムタイトルが衝撃だったこと、今でもよく覚えています。あのゆるふわ?系のファイストが、Metals?

   アルバムタイトルからも予想できるように、当然個々の楽曲、作品に漂う空気はヘヴィ。常にずん、ずん、ずんって感じ…。まるで地べたを這うようにビートが刻まれ、それにファイストの浮遊感ある歌唱が絡みついていきます。不思議な感じ。②のGraveyardや、④のHow Come You Never Go Thereなんかに、ファイストがしたいことが出てる気がします。メタル=重厚さとするならば、ドスドス、テラテラ鳴らさなくても、めっちゃメタルしてます。

 一方で楽曲の美しさも本当に素晴らしい。③⑥⑦あたりは、神がかり的な美しさを放ってます。特に⑥のThe Circle Married the Lineは、やばい。題名はいみふだが、やばい曲を作ったもんだ。

 ⑤は正に『実験的』って言葉が似合う曲。Bメロのこここす、こここすってなんや?ちょっと笑っちゃいます。

 

 Metalsの意味を、ちょっと考えてみた。複数形だから、きっとファイスト流メタルが集まった作品なんだと思う。ひとつ言えるのは、今までと異なるアプローチをした、実験的なアルバムってこと。

 でもどんなコンセプトで作品を作ろうと、ファイストらしさは変わらないし、きっと変えられない。ならば、もはや変わる必要はないことに気がつく。大抵の場合、行き着く先はそうなると思う。でも、変わろうとすることは決して無駄じゃなく、自分を豊かにすること。ブレたその幅だけ、自分は広がるから。

 今までと違うことを試みたからこそ生まれた、重厚な美しさ。ヘヴィビューティ。間違いなく、ファイストのキャリア最高傑作。

 

☆おすすめ☆

6."The Circle Married the Line"…円は、線と結婚しました。

 

 

私的宝盤❶ Elbow / Take Off And Landing Of Everything(2014)

お題「わたしの宝物」

 よい作品との出会いは宝物。モノとして、というより、聴いたときに思い出す景色や出来事、その時の感情…。それらが全てセットで、忘れられない宝物になる。だから僕にとって、よい作品って人生のイチブだし、一生ものなんです。

 だからCDのアルバムって、写真の思い出アルバムみたいなもん。みんな少なからず、そうなんじゃないかな?人は十代の頃に夢中になった歌を、一生口ずさむって言うしな。

 

Take Off And Landing Of Everythingf:id:highandry:20200818235144j:image

1."This Blue World"
2."Charge"
3."Fly Boy Blue / Lunette"
4."New York Morning"
5."Real Life (Angel)"
6."Honey Sun"
7."My Sad Captains"
8."Colour Fields"
9."The Take Off and Landing of Everything"
10."The Blanket of Night"

 

 2014年リリース。アルバム…の前にこのバンド、知ってますか?Elbow(エルボー)っていうんですが。日本では知名度は皆無ですが、イギリスではかなり有名らしい。このバンド、とにかく素晴らしい音を奏でます。ボーカルの声もいい。艶やかで、深みがある。ビンテージのワインみたい。飲んだことないけど、そんな感じ。

 このアルバムも、全体的に湿度が高めでじめっとしていて、Elbowらしさ全開。でも、曲調がバラエティに富んでいて、何よりメロディがきれい。ここで言うきれいというのは、煌びやかさではなく、無駄が一切ないということ。でも、聴いていると胸が熱くなってくるような、エモさがある。

 その要因は、アレンジにあると思う。特に先行シングルになった④のNew York Morningは秀逸。間奏ですっと入ってくるギターソロによって、より曲の世界に引き摺り込まれます。コーラスも然り。

 曲の構成も面白い。いわゆるA→B→サビみたいな曲は一切ない。不思議な所でギターソロが入るし、曲調が変わるし。なんか、クラシックっぽい感じ。③のFly Boy Blue / Lunetteなんかは、構成の面白さが顕著に出てる。

 英国のアルバムチャート1位、年間でも32位に食い込んでいます。アメリカより、ヨーロッパで愛されているようです。

 

 朝焼けの中で聴いても、夕焼けを見ながら聴いても、夜中寝れない時に聴いても、それぞれはまる曲。聴けば聴くほど、聴いても聴いても大好きなアルバム。

 

☆おすすめ☆

4."New York Morning"…胸が昂ります。

 

音楽の聴き方

お題「わたしの癒やし」

 関ジャムが好きです。ここまで音楽のことだけを突き詰めてくれるのは、うれしい。音楽通(オタ)のためにある番組。

 今週はサブスク特集。サブスクリプションっていうらしい。若者の間で流行っていて、サブスクをきっかけにブレイクしたアーティストは多い。ヨルシカとか、yoasobiとか。ヨルシカ、好きです。

 

 ちなみに、僕はやってません。なんかついていけない。幅広く聴けることで、いろんな音楽に興味をもてるのは、いいと思うけれどね。でも興味もったら、アルバムで聴けよ。どっぷり深く。泥沼はいいぞ。

 

 

 

 お題に関して…。癒しっていうのは、番組というよりも、音楽そのもの。泥沼のように浸かってきた音楽を、ちょっとずつ紹介していけたら、と思います。続くかな?